2021年4月から始まったヤマト運輸のフルフィルメントサービス、『ヤマトフルフィルメント』
ヤフーショッピング向けのサービスが中心ですが、『ヤマトフルフィルメント マルチチャネルサービス』に契約すれば、ヤフーショッピングだけでなく、楽天・アマゾンなど他モールでの注文に対して発送することも可能です。
この記事ではヤマトフルフィルメント マルチチャネルサービスのメリットと問題点、課題について解説していきます。
※この記事は2022年2月時点の内容になります。
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参考ページ:
マルチチャネルサービスとは
ヤマトフルフィルメント マルチチャネルサービスとは、Yahoo!ショッピングでの注文以外のモール受注分もヤマトフルフィルメント倉庫から発送できるサービスです。
サービス概要については以下のリンクをご参照ください。
フルフィルメントサービスのメリット
ヤマトフルフィルメントサービスのメリットとして以下があげられます。
- 優良配送の対象商品に
- 業務負担を軽減
- 分かりやすく、お得なサービス料金
- 契約完了までWEBで完結でスピーディー
優良配送とはYahoo!ショッピングとPayPayモールが定める基準をクリアした、
安心かつスピーディーなお届けである配送のことです。
ヤマトのフルフィルメントサービスを利用することで、優良配送の対象商品になります。
フルフィルメントサービスの料金について
Yahoo!ショッピング経由の注文とYahoo!以外のモール受注分で違いがあります。
以下の表をご参照ください。(すべて税込みの料金になります。)
Yahoo!ショッピング経由の注文 | Yahoo!以外のモール受注分 | |||
税込み料金 | 配送手数料 | 追加ピッキング料金 | 配送手数料 | 追加ピッキング料金 |
メール便 | 197円 | 50円 | 253円 | 50円 |
60サイズ | 420円 | 83円 | 550円 | 83円 |
80サイズ | 466円 | 83円 | 616円 | 83円 |
100サイズ | 505円 | 83円 | 660円 | 83円 |
120サイズ | 658円 | 105円 | 770円 | 105円 |
140サイズ | 1,018円 | 198円 | 1,034円 | 198円 |
160サイズ | 1,098円 | 198円 | 1,100円 | 198円 |
180サイズ | 1,679円 | ー | 1,813円 | ー |
200サイズ | 1,905円 | ー | 2,000円 | ー |
(※2022年3月31日まではフルフィルメントサービス利用促進キャンペーンでYahoo!以外のモール受注分も特別価格でYahoo!ショッピング経由の注文と同様の料金になっています)
Yahoo!ショッピング経由の注文は他の倉庫サービスと比べてもかなりリーズナブルな料金体系になっています。
Yahoo!以外のモール受注分に関しても少量を自社で発送している店舗さんにとってはかなりメリットがある料金体系ですが、楽天ロジスティックスなど他の倉庫サービスと比べると、それほどメリットはないかもしれません。
以下がヤマトフルフィルメントと楽天スーパーロジスティクスとの比較表です。
ヤマトフルフィルメントYahoo!ショッピング経由の注文 | ヤマトフルフィルメントYahoo!以外のモール受注分 | 楽天スーパーロジスティクス | ||||
税込み料金 | 配送手数料 | 追加ピッキング料金 | 配送手数料 | 追加ピッキング料金 | 配送手数料 | 追加ピッキング料金 |
メール便 | 197円 | 50円 | 253円 | 50円 | 198円 | 50円 |
60サイズ | 420円 | 83円 | 550円 | 83円 | 418円 | 88円 |
80サイズ | 466円 | 83円 | 616円 | 83円 | 418円 | 88円 |
100サイズ | 505円 | 83円 | 660円 | 83円 | 418円 | 88円 |
120サイズ | 658円 | 105円 | 770円 | 105円 | 550円 | 110円 |
140サイズ | 1,018円 | 198円 | 1,034円 | 198円 | 935円 | 220円 |
160サイズ | 1,098円 | 198円 | 1,100円 | 198円 | 935円 | 220円 |
180サイズ | 1,679円 | ー | 1,813円 | ー | ー | ー |
200サイズ | 1,905円 | ー | 2,000円 | ー | ー | ー |
ヤフーショッピングをメインの店舗さんはヤマトフルフィルメント、楽天がメインの店舗さんは楽天スーパーロジスティクスを利用することでよりスケールメリットが出やすいです。
ここからはいよいよマルチチャネルサービスについてのメリットと問題点、課題について踏み込んでいきます。
マルチチャネルサービスとはどんなサービス?
マルチチャネルサービスとはYahoo!ショッピング及びPayPayモール以外の販売経路(楽天・Amazon等)で販売が成立した商品も入庫以後の各作業をヤマトが代行するサービスです。
マルチチャネルサービスのメリット
マルチチャネルサービスのメリットのひとつとして、ネコポスを利用できるということがあります。
ネコポスとは
小さな荷物を宅急便レベルの翌日配達でポストに投函するサービス。
ネコポス 3つの特長
①ポストに投函
②全国翌日配達
- ※一部地域を除く。
- ※日時指定には対応しておりません。
③全国一律料金
この中でも大きなメリットは、
- 全国翌日配達対応
- メール便サイズの発送をリーズナブルな価格で対応
ということがあげられます。
特に楽天スーパーロジスティクスを利用している店舗さんにとってはメール便の発送にかかる日数に課題を抱えていることが多いので、ヤマトフルフィルメントの利用はひとつの選択肢として検討する余地が大きいです。
実際に楽天スーパーロジスティクスを利用していた店舗が一部商品をヤマトフルフィルメントに移行した事例で見ていきましょう。
楽天スーパーSALEなどのイベント時など、楽天スーパーロジスティクスでのメール便の発送に遅延が出やすく、お客様からのクレーム対応が大変。
ヤマトフルフィルメントを利用することで以下の効果が見込めます
- ほとんどのエリアで11時までの注文で即日発送対応可能に
- セール時も大幅遅延を回避できるのでクレーム・低レビューの減少効果
ヤマトフルフィルメント マルチチャネルサービスは12時までに発送データを倉庫側に送ることで、当日発送が可能です。
楽天市場の場合、注文から注文確定までに約30分のリードタイムがあるので、実質11時までの注文までが当日発送対応が可能になるイメージです。
ヤマトフルフィルメントのマルチチャネルサービスの発送対応
- 12時までのデータ連携で当日発送
楽天スーパーロジスティクスのメール便の発送対応
- 12時59分までのデータ連携で当日もしくは翌日発送
- 12時59分以降のデータ連携で翌日もしくは翌々日発送
こちらの例にある店舗Aではメール便の遅延対策が出来て、セール時の発送に対してのストレスが大幅に減少したとともに、クレーム・低レビューも大幅に減少したという効果が出ています。
- 商品、無事届きました。メールの返信も発送も商品到着も、楽天市場最速ではないでしょうか??信頼出来るショップさんです。また、よろしくお願い致します。
- 素早い発送手配でした。梱包状態も良かったです。
- 発送が早く、ショップさんの対応も素晴らしかったです!
マルチチャネルサービスの問題点
ここまで、ヤマトフルフィルメントのマルチチャネルサービスのメリットを見てきましたが、気になるのはデメリット。ここからは気になる問題点を検証していきます。
API連携している受注管理システムがまだ少ない
これまで、ヤフーショッピングやPayPayモール以外のモールで受注した商品の配送をヤマトフルフィルメントサービスに委託する場合、商品の出荷指示をcsvなど手動で行なう必要がありました。
2021/12/07時点で、一部受注管理システムとはAPI連携が可能になりました。
■連携済(2021/12/07時点)
- 通販する蔵(株式会社ソフテル)
- 特攻店長(株式会社キャプサー)
- Crossma(株式会社IZUMI)
■今後の連携予定
- CROSS MALL(株式会社アイル)
- TEMPOSTAR(SAVAWAY株式会社)
- 速販UX(株式会社サイオ)
※時期は未定です。
※上記以外にも検討中です。
※連携方法等の詳細につきましては、各受注システムの会社にお問い合わせください。 今後もさまざまなシステムとの連携を進めてまいります。
マルチチャネルサービスの当日発送の締め切り時間が早い
マルチチャネルサービスの当日発送の締め切り時間が12時までのデータ連携なので、楽天のあす楽対応やアマゾンのプライム発送に対応できないことも課題です。
楽天のあす楽は当日12時までの注文に対応するが必要あります。
アマゾンプライム資格要件は当日14時までの注文に対応するが必要あります。
出荷実績のデータが送信される時間が遅い
csv連携の際、出荷実績ダウンロードするためのデータがヤマトフルフィルメントから送信される時間が遅い(19時前後になることが多い)ので、当日中に配送伝票番号をお客様に伝えるためには19時から20時以降にデータを取り込み処理する必要があります。
キャンセルや住所変更などの問い合わせ体制が整っていない
ヤマトフルフィルメントのポータルサイトは非常にまとまっていて使い勝手はいいのですが、ただ気になるのは出荷キャンセルや住所変更などの問い合わせの方法に関してです。
基本的には『お問い合わせはこちら』のチャットサービスがあるが、正式な出荷キャンセルや住所変更などの窓口はない状態です。
急ぎの場合は、メールもしくは電話での対応になりますが、全体的にバックオフィス部分が整っていない印象が強いです。
急ぎ、バックオフィスの充実の対応を期待します。
買い回り対象になりにくい(ヤフーショッピング店)
ヤフーショッピング店では、ヤマトフルフィルメント対象の商品に関してはヤマトフルフィルメント倉庫内に入っている商品だけしか同時に購入できないので、他の倉庫の商品との買い回り対象にすることが出来ません。(楽天・アマゾンなど他モールに関しては同時に購入することは出来ますが、別途発送を分割する必要があります。)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
発送業務のアウトソーシング化が進んでいる中で、どの受注管理システム、どの倉庫を利用するかということは非常に重要なポイントになってきています。
ヤマトフルフィルメントも日々、システム改善は進んでいますので、今後のシステムの使いやすさが向上することを期待したいです。
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