ネットショップや楽天ショップを運営している事業者で、楽天ロジスティックスを利用する出店店舗が年々増えてきています。
楽天倉庫を効果的に活用して、
- 発送業務を効率化したい
- 毎日の配送業務の時間を短縮したい
そう考える店舗さんが多いです。
しかし、便利な反面、意外な落とし穴になっているのが、倉庫費用。
物流業務をアウトソーシング出来るので非常に便利にはなりますが、倉庫保管料には注意が必要です。
この記事では、楽天ロジスティックス倉庫を利用する際に、陥りやすい倉庫費用増加問題とその解決方法について詳しく解説していきます。
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楽天ロジスティックス倉庫利用時の倉庫料の注意点
ネットショップや楽天ショップを運営している事業者で、楽天ロジスティックスを利用する出店店舗が年々増えてきています。
物流業務をアウトソーシング出来るので非常に便利にはなりますが、倉庫保管料には注意が必要です。
特に中サイズ・大サイズは、1個当たり1か月あたり1000円以上の保管料がかかることもあるので、注意が必要です。
定期的に返送するなど見直しが必要になって来ます。
楽天ロジスティックスの楽天ロジの請求金額照会方法について見ていきましょう。
楽天ロジの請求金額照会方法
楽天ロジスティックスにかかる費用のうち、保管料がどのくらいかかっているかは気になるところです。
RMSの物流支援サービスより請求金額明細を見ていきます。
RMSのTOPページの店舗様向け情報・サービス⇒6.物流支援サービスをクリック。

請求金額紹介⇒利用明細書PDFをダウンロード
PDFファイルを開き、保管項目の通常保管をチェック。
2022年1月度は¥151,148円の保管料が発生していました。
続いて、在庫保管料の最近の推移をみていきます。
RMS物流支援~RSLカルテの見方
物流コスト詳細の確認
RSLカルテ⇒物流コスト⇒集計期間を選択し、集計は実コスト、費目は在庫保管料をそれぞれチェックしていきます。
そうすると下のような表がでます。今回は期間は2021年2月から2022年12月までの一年間で設定しました。

年初は10万円前後だった保管料が、2022年6月から保管料は上昇し始めて、8月~12月は15万円超で高止まりしていることが分かります。
長期保管傾向のチェック
さらに、RSLカルテ⇒長期保管傾向で集計期間を設定、在庫保管日数を90日以上180日未満、出荷ランクをすべてにチェック。

やはり、3カ月以上の長期保管が6月以降増えてきています。
180日以上もチェックしてみると、今年に入ってからずっと上昇傾向なのが分かります。(2月、3月、4月は上表の90日以上180日未満では減少していますが、売れたわけではなくて、そのまま180日以上にスライドしていることもわかります。)

さらに細かく検証していきます。
同じ条件で出荷ランクがD (28日間出荷数量 0 個)にチェックを入れて検証すると、やはり増加傾向に。
滞留在庫が増えていることが浮き彫りになりました。

長期保管詳細では、長期保管となっている商品数を把握し出荷ランク毎の傾向を表で確認することができます。 長期保管となっている在庫を削減して保管料削減していく指標になります。条件を変えながら、自店の在庫の状況を細かく把握してくことが出来ます。
S (28日間出荷数量 30 個~)
A (28日間出荷数量 16~29 個)
B (28日間出荷数量 6~15 個)
C (28日間出荷数量 1~5 個)
D (28日間出荷数量 0 個)
Z (28日間出荷数量:ゼロ、かつ、過去1年以上入荷数ゼロ)
長期保管在庫削減のための施策
ここからは、これまで検証してきた結果をもとに、長期保管在庫を削減していくための施策を紹介していきます。
保管料を圧迫している商品を特定する
長期保管在庫が増加している傾向は掴めました。
ここからは実際に保管料を圧迫している商品を特定していく作業に入ります。
RSLカルテ⇒長期保管⇒長期保管詳細で統計の総計をクリックします。

集計データが一覧で出ます。画面上の出力は100件までとなるので、すべてのデータを参照するために、一括ダウンロードします。


ダウンロード出来たら、フィルターをかけて、検証していきます。

その前に長期保管在庫(今回は90日以上の在庫で検証)をSUM関数で計算します。

90日以上の商品保管数の列が出来たら、請求サイズの大と中を抽出していきます。
(細かくなりますので、ついてこれる方だけついてきて下さい。この辺りは、個人の見解なので飛ばしていただいても大丈夫です。)

さらに、先程作成した90日以上の商品保管数の列で0のチェックを外します。
さらに出荷ランクのDとZに絞っていきます。(長期保管でなおかつ1か月全く売れていない商品をピックアップ)
ここまでくると在庫保管料を上昇させている商品が見えてきました。(請求サイズ:大、中 出荷ランク:D・Z 保管日数90日以上)

特に請求サイズが大サイズ、中サイズの商品は保管料が1個当たり1000円/月以上かかる商品もあるので、このサイズを削減することが僅僅の課題になります。
次からこの課題を解決するための施策を見ていきます。
在庫を返送する
まず、手っ取り早いのが、対象在庫を自店に返送する、です。
返送送料がかかりますが、1個当たり毎月約500円~1000円の保管料がかかるので、可能であれば早めに返送してしまうのが最良の策になります。
スーパーDEALで効果的に販売していく
自店の倉庫の状況や、返送することが出来ない店舗さんには、該当商品をスーパーDEALサーチ登録して効果的に販売していく方法がおススメです。
対象商品限定クーポンを発行する
さらに対象商品限定でクーポンを発行してみるのも効果的です。
とにかく、出荷ランクがDランク、Zランクは30日以上全く売れていないので、返送するかもしくは早い段階で(大幅割引してでも)販売していくことが非常に重要になってきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
楽天ロジスティックスで物流業務をアウトソーシングする際の注意点を理解できましたでしょうか?
特に注意したいのが、保管料の問題です。
特に請求サイズが中サイズと大サイズは保管料に占める割合が大きいので、早急に対策する必要があります。
また、出荷ランクがD、Zランクは回転数率が悪いもしくは全く売れていないので注意が必要です。
ただ、これらの在庫の対処が出来れば保管料の負担は大きく改善できます。
楽天ロジスティックスにはRSLカルテがあります。
かなり細かく在庫の状況を検証できるツールも用意されています。
これを参考に効果的な在庫削減に取り組んでいきましょう。